研究テーマ
<京都大学ホームページに掲載された研究成果プレスリリース>
- 太陽フレアによる被ばくの脅威から航空機搭乗者を「合理的」に護る -経済的損失リスクの定量化により最適な航空機運用指針の策定が可能に-
- 生命が居住可能な系外惑星へのスーパーフレアの影響を算出 -ハビタブル惑星における宇宙線被ばくの定量化に成功-
- 琵琶湖の水草、人工衛星で把握
- 河川から海への水の動き、台風時のモデルを精緻化 -台風がもたらす海洋環境への影響を把握-
<防災研究所HP>
- 山敷庸亮准教授の研究グループの研究成果のCG映像を提供したNHKスペシャル「知られざる放射能汚染、海からの緊急報告」が第53回科学技術映像祭内閣総理大臣賞を受賞しました(防災研究所准教授時代の成果)。
<NATURE ASIA 注目の論文としてホームページに掲載された成果>
—ハビタブルプラネットの評価<ExoplanetKyoto>の開発
太陽系内・系外惑星を体系的に整理し、ハビタブル・ゾーンの再定義 を行う。
現在、本研究室教授 山敷が総責任者兼プログラマとして、宇宙ユニット、宇宙生物学ゼミなどと連携しつつ、我が国初の太陽系外惑星データベース ExoKyotoの開発と運営を行なっている。本データベースの特徴として、(1) 異なるハビタブル・ゾーンの定義の相互比較 (2) 惑星の想像図の体系化と公開 (3) Stellar モジュール による恒星データベースの位置表示 など 様々な特徴をもつ。以下、それぞれ解説する。
(1) 異なるハビタブル・ゾーンの定義の相互比較 現在Kopparapu et al.2013の定義および、係数が変化した再定義基準、および太陽系相当天文単位(SEAU)によるハビタブル・ゾーンの判定を行い、公開している。現在、理学研究科太陽フレアゼミや国立天文台との協力のもと、恒星フレアの定量化と、恒星フレアの影響を評価したハビタブル・ゾーンの新しい定義とそれに伴うモジュールを開発し、公開準備を行なっている。
(2) 惑星の想像図の体系化と公開 系外惑星の想像図を、そのサイズ(6クラス)、アルベドを仮定した黒体温度(8クラス)に大きく分類し、想像図を描いた。想像図は当研究室所属の大学院生(黒木)他、ILASセミナー ハビタブル・アース受講生及びOB/OGらによりテクスチャから作成し、細野らが開発した3D表示モジュールにより描画される。現在は、自転速度がそれほど遅くない惑星を仮定して描画しているが、潮汐ロックされた惑星テクスチャモジュールも開発中である。
(3) Stellar モジュール による恒星データベースの位置表示
現在、Stellar モジュールに収録されている恒星は13万個、それにケプラー宇宙望遠鏡により観測されたKIC20万個の恒星がデータベースに収録されている。国立天文台学 前原氏らの協力のもと、データには個々の恒星の性質とともに活動性の情報も収録されている。
— 地球規模の水資源質的評価
地球環境監視システム(GEMS/Water)観測データの収集、また全球水資源農業
モデルを通じて、地球規模の水資源の現況評価を行う。また、Biwa-3Dなどの
閉鎖性水域水質予測モデルを通じて、世界の湖の質的変化の研究を推進する。
Biwa-3Dを用いた琵琶湖の溶存酸素濃度変化の数値解析
— 土石流災害に関する予測技術の開発
豪雨発生から土石流発生までの一連の予測技術を開発し、急勾配水路を用いた
実験と、高速計算機を用いた数値解析を進める。
HD2Dを用いた土石流急勾配水路粒子移動計算
— 陸域海洋相互作用
陸域からの物質輸送と海洋の応答を様々な角度から調べる。原子力発電事故による河川を通じた汚染水の調査や予測を行う。
http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/abstracts/52665
— リモートセンシング技術を用いた地球水資源評価
衛星画像情報を用いた淡水域の水質観測技術の開発を行う。