SIC有人宇宙学研究センターとよみうりカルチャーOSAKAの連携講座「火星に住もう! Season3」(全6回)は5月14日、第2回「火星に必要なコアバイオーム(核心生態学)とは?」が読売京都ビル(京都市中京区)で開かれ、SIC有人宇宙学研究センター長の山敷庸亮・京都大学大学院総合生存学館教授が登壇した。
山敷教授は、「火星は人類にとってサスティナブル・マザープラネットになりうるか」と問題提起。火星に液体の水を存在させ、一定の大気を保つために、NASAでは火星に磁気フィールドを作り、温室効果による温暖化を行う計画を提案していることを紹介した。
そのうえで、他の惑星に移住する際、地球の生態系の一部を持っていくことが「コアバイオーム」の発想であり、宇宙放射線や微小重力の問題を技術の力で解決する「コアテクノロジー」、あらかじめ社会のルールを決めておく「コアソサエティ」の3つのコンセプトがないと人類は生存できないと指摘。火星に持ち込むミニ生態系のあり方や、惑星間の移動手段となる「銀河鉄道」構想について、動画を交えて解説した。
オンライン視聴を含め、京都市立堀川高校の生徒など約40人が受講した。次回の講座は6月18日(13:00~14:30、読売京都ビル)、「宇宙飛行士を宇宙線被ばくから適切に守る~有人火星探査の被ばくリスクはどのくらい?~」をテーマに日本原子力研究開発機構研究フェローの佐藤達彦氏が講師を務める。申し込みはよみうりカルチャーOSAKAのHP(https://www.ync.ne.jp/osaka/mananto/)から。
(記事、写真:読売新聞社 冬木氏提供)